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ベランピングは、ベランダにテントやチェアを置いてキャンプ気分を味わう遊び方です。移動もいらず片付けも早いのが利点ですが、住宅の一部でやる以上、屋外のキャンプとは制約がまったく違います。ここでは何を買えばよいかと、火を使うときに外せない条件を整理します。
そろえる順番
いきなりテントから買うと失敗しやすいです。ベランダは幅も奥行きも限られるので、次の順で決めると無駄が出ません。
- 床:ウッドパネルや人工芝。コンクリートの照り返しと汚れを抑える。まずここだけでも印象が変わる。
- 座るもの:ローチェアかクッション。ベランダは天井(上階の床)が低いので、背の高い椅子は圧迫感が出る。
- 照明:LEDランタン。火を使わないので、集合住宅ではこれが基本になる。
- 日よけ・目隠し:シェードやタープ。手すりに固定するタイプは風で外れやすいので固定方法を確認する。
- テント:使うなら最後。実際には不要なことも多い。
採寸で見落としやすいのが手すりの高さと排水溝の位置です。床材を敷き詰めると排水が滞り、大雨のとき水が室内に回ることがあります。排水溝の上はふさがないようにしてください。
集合住宅で先に確認すること
マンションやアパートのベランダは、多くの場合専有部分ではなく共用部分で、使い方に管理規約の制限があります。買う前に確認しておくのは次の点です。
- 火気の使用が認められているか(多くの規約で禁止されています)
- 隣戸との隔て板の前に物を置いていないか(緊急時に蹴破って避難する経路です)
- 避難ハッチの上に物を置いていないか
- 手すりへの固定や、床への穴あけが認められているか
隔て板と避難ハッチは、自分だけでなく隣室の人の避難経路でもあります。テントや床材のレイアウトはここを避けて決めてください。
火を使う場合の条件
規約上あるいは戸建てで火気が使える場合でも、カセットこんろの事故は数として多く起きています。NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起によると、平成17年度から22年度までの6年間で175件の事故が報告されています。内訳は死亡5件・重傷10件・軽傷51件、爆発・破裂が58件、1室以上の火災が50件(うち全焼25件)です。
同じ資料が挙げている事故原因の類型は次のとおりです。
- 他の熱源での過熱
- 火をつけたまま放置
- カセットボンベの不正な装着
- 使用中に可燃物が接触
- 内部ガスへの引火
- 五徳の不正な装着
いずれも製品の欠陥ではなく使い方によるものです。ベランダは狭く、シェードや洗濯物といった可燃物が近くにあるため、「使用中に可燃物が接触」と「火をつけたまま放置」がとくに起こりやすい条件がそろっています。
囲うと一酸化炭素中毒になる
雨や風をよけようとしてテントやシェードで囲うと、換気が足りなくなります。NITE は次のように注意を呼びかけています。
「テント内に限らず換気の不十分な場所でたき火や調理などを行うと、一酸化炭素濃度が上昇し、中毒にいたるおそれがあります。たき火などは、必ず屋外の換気のよい場所で行ってください。」
一酸化炭素は色もにおいもないため、発生していても気づけません。囲った中で火を使わないのが原則です。燃焼器具全般について NITE は「1時間に1回以上5分程度窓を開けるか、時間を決めて換気扇を回す」という換気の目安を示しています。
結論としては、集合住宅のベランピングでは火を使わない構成にするのがいちばん簡単です。調理は室内でして持ち出す、明かりは LED ランタンにする。これで規約の問題も事故のリスクもほとんど消えます。
近隣への配慮
ベランダは音とにおいが横にも上下にも伝わります。夜間の話し声、椅子を引きずる音、調理のにおいは、屋外のキャンプ場と同じ感覚だと苦情になります。床材を敷くと椅子の音が減るので、そこも床から始める理由のひとつです。
どんな人に向くか
向いている人は、遠出の時間はとれないが外の空気で過ごしたい人、小さい子どもがいてキャンプ場までは行きづらい家庭です。片付けが数分で済むので、頻度を上げやすいのが最大の利点です。
向いていない人もいます。ベランダが狭くて避難ハッチや隔て板を避けるとスペースが残らない住戸、火を使う調理をしたい人には向きません。後者は素直にキャンプ場へ行くほうが安全です。
まとめ
買う順番は床 → 椅子 → 照明。テントは最後で構いません。先に確認するのは管理規約の火気使用、隔て板と避難ハッチ、排水溝。そして囲った中で火を使わないこと。この形にすれば、道具も安く済んで事故の可能性もほぼ無くなります。
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この記事の内容は下記にもとづいています(2026年9月時点)。管理規約の内容は物件ごとに異なるため、必ずお住まいの規約をご確認ください。